第1章 - 導入編

≪最初 <前へ  Sec.3 発狂による発狂の考察  次へ> 最後≫

1 - 導入編

 

 

1.BMSってなんなんだー?

 

BMSとは、『Be-Music Script』または『Be-Music Source』の略称であり、1998年頃にやねうらお氏により開発されたプログラムである。いわゆる音楽ゲーム(※以下、音ゲーと表記)であるが、ここでは音ゲーの定義については割愛する。これについて語るとき、KONAMIの『beatmania』という音ゲーの存在を語らないわけにはいかない。なぜならばこのBMSというものは、そのbeatmaniaを模したものであるからである。

beatmania199712月に稼動を開始したアーケードゲームである。曲に合わせて画面上から音符(オブジェ、ノートとも)が降ってきて、それが画面下の赤いラインに重なったときに対応するボタンを押す、というものである。5つあるボタンのほか、ターンテーブル(スクラッチ、俗に皿とも)という特殊なものを合わせ、このゲームでは合計6つの入力デバイスを用いて音楽を“演奏”する。


 さて、話を戻すと『BMS』というものは、早い話がこの『beatmania』をお家でも楽しもう、というものである。入力デバイスは本家とは違いキーボードであるが、遊び方やプレイ画面の様子などは、ほとんど本家のものを踏襲している。

 しかしそこで絡んでくるのが著作権の問題であり、事実やねうらお氏により開発された『BM98』というソフトウェアは公開中止になったということもあった。現在まではこのBMSに対し、“黙認”という形なのかどうかはわからないが、本家からBMSに対してお触れが出たという話はない。…多分。()

 

 その後1999年に『beatmania』の派生バージョンとして『beatmaniaIIDX』が稼動する。このバージョンの最も大きな変更は、ボタンがさらに2つ増え、7つとなったことにある。これにより譜面のバリエーションや、難易度の上限などが飛躍的に拡がったことは想像に難くない。BMSもこれに対応するように、キーを7つ使うものが登場し始めることになる。




2.高難度BMSに至るまで

 

 前項ではBMSのグレーゾーンについて触れたが、今ではBMSは大いに発展を遂げ、数え切れないほどの楽曲製作者、ムービー(クリップ、BGAとも)製作者、譜面製作者がネット上などで作品を公開している。各アーティストが楽曲を持ち寄ってプレイヤーに評価してもらい、順位を決めるという大会を開催しているところもある。

なぜ前項で話したようなリスクを伴っているBMSがここまで発展を遂げたのか、それは間違いなく『BMSは、作ろうと思えば誰にでも作れる』という点にある。作曲についてはやや専門的であったり、経験がモノをいう分野ではあるかもしれないが、一旦それをwavデータにしてしまえば、あとはそれをBMS作成ソフトに読み込み、自分の思うようにオブジェを配置していくことができる。難易度、曲の速さなどもクリック操作一つで簡単に調整することができる。BMSによっては作曲・BGA製作・譜面製作がそれぞれ別の人物が担当していたりもする。このような自由な土壌のおかげもあり、BMSは本家と共に、またあるいは本家よりも多様に発展を遂げていったのである。

 

 しかし、これはどの分野のゲームでも同じことなのかもしれないが、やがて総プレイヤー数の増加、上級者層の増加とともに、本家も難易度インフレの一途を辿ることになる。20098月現在アーケードでは、16作目となる『beatmaniaIIDX16 EMPRESS』が稼動しているが、この難易度インフレの流れが一気に加速し始めたのは、200410月に稼動した11作目『IIDX RED』からではないかと個人的に思う。(1) この『IIDX RED』のバージョンに収録されている、☆12(最高難度)に設定されている4つの楽曲を見てみると、

 

○AA

→これまでの最高ノート数を一気に更新する1834ノート。序盤から後半まで高密度である。

FAKE TIME

→もはやリズムが取れない超高速トリルが何回も降ってくるなど、後半がやりたい放題。

gigadelic

→正規が超押しづらい12分の7,6鍵トリルに、さらに皿が加わり、もう大変なことに。

○ピアノ協奏曲第1番“蠍火”

→曲の壮大さと同時に、終盤の譜面の殺しっぷりもゲームの域を超えてしまっている()

 

…と、この4曲を見ただけでも以前までの高難度曲と一線を画しているような気がする。

さらに極めつけは、この11作目の次のバージョンである12作目『HAPPY SKY』に、ボス曲として登場した『冥』という曲である。BPM200、高速16分、加速地帯、執拗な縦連打、32分階段、総ノート数2000…など、もう突っ込みどころ満載である。この曲の登場以降、“本家の高難度”は今までの流れとは違う別の方向に行ってしまったことはもはや疑いようがない。

 

 しかし、そこに楽しみを見出すプレイヤーも勿論いるわけで(むしろ上達するとそうなってしまう方が自然なのかもしれないが)、そういうビートマニアマニアプレイヤーな玄人向けに、BMSにも高難度なものが登場し始める。BMSでは既存の譜面ファイルを譜面作成ソフトで読み込み、オブジェの配置を自由に変えることができるが、そのように作られた新たな譜面ファイルのことを『差分』と呼んでいる。

 本家の難易度インフレのほか、BMSプレイヤーの発展によるIR(インターネットランキング)の開催などの理由も加わって、「本家とBMSはまったく別のゲーム」という意見も散見するが、今や“高難度BMS”というジャンルは音ゲー界の一大勢力になりつつある。…と思う()

 

(1) 筆者はHAPPY SKYで丁度穴冥が解禁された頃くらいにアーケードに参戦しました。そのため、実はそんなに偉そうなことは言えないのですが…まぁ、あくまで個人的に思っていることです。

 


 

3.『高難度BMS難易度表』の存在

 

 だいぶ紙面を使ってしまったが、実はこの『難易度表』なるものがこのコラムの肝である()

この難易度表とはどういうものかというと、本家で良譜面とされている『AA(ANOTHER)』を難易度1として、それを基準にして数多くある高難度なBMS差分を格付けしよう、という趣旨のものである。ちなみに、難易度の基準は「ノーマルゲージにおけるクリア難度」であり、LRにおけるハードゲージは考慮されない。

 

 ここで一つ表記上の注意をしておくと、難易度表記は数の前に“星マーク”を付けるが、本家との混同を避けるため、(公式な決まりというほどではないが)一般的に次のように区別がなされている。本家は白抜きの“☆”で、高難度BMSは黒い“★”で表記している。このことから、先ほどの『AA(ANOTHER)』は本家では“☆12”、高難度BMSという扱いでは“★1”という表現になる。

 

 難易度表では★12424段階にレベルが分かれており、その曲数はと言うと、2009810日現在でnazoBM567曲、Lunatic Rave425曲と、本家に迫る勢いである。(厳密に言うと“曲数”ではなく“差分数”であるが。)

 

 また、この難易度表を利用する際に欠かせないサイトが『Pitfall –BMS-』という、いわゆる“スコア帳”の役割を果たしてくれるサイトである。これは難易度表に収録されている曲のうち一定数以上の曲のIRに参加すれば、曲別のスコアだけでなく、順位、ミス数、クリア状況などを自動的に一週間に一度集計して、ネット上に出力してくれるという大変便利なものである。このサイトが高難度BMSプレイヤー達のモチベーション維持・向上という意味で、「高難度BMS界を精神的に支えている」と言っても過言ではないと思う。少なくとも筆者については()

 


 

4.IR機能付きBMSプレイヤーの2大勢力

 

 先述したとおり、高難度BMSの発展の陰には「インターネットランキング(IR)」の存在がある。しかし、そのようなIRを搭載したBMSプレイヤーは何も唯一つというわけではなく、いくつか存在する。その中でも特に規模が大きいのが、先ほどもチラッと名前を挙げた「nazobmplay」「LunaticRave」の2つである。以下それぞれ「nazo」「LR」と表記することにする。


 先にお断りを入れておくが、筆者はほとんどLRに触れたことがないため、どうしてもnazoの視点からの意見になってしまうことがあるかもしれないが、どうかご了承いただきたい。それでは、軽く2つのプレイヤーの特徴について紹介してみたいと思う。


nazobmplay

 公式サイトで確認できる一番古いバージョンは200110月となっており、かなり初期の段階からプレイヤー自体は存在していた。IRが正式に搭載されたのは200310月であり、筆者は当時のIR事情はよくわからないが、BMSIR業界において少なくともこのnazoIRが黎明期に存在していたということは間違いないだろうと思う。しかし現在では、残念ながら全盛期ほどの人気はなく、新規参入者も少ないのが現実である。公式HPも長い間更新されていない。


【プレイ上の特徴】

BPMによって判定幅が変わる(遅い曲は甘い)

・コンボを切ると、コンボ数がふわふわと飛んでいく()

ID、パスを入れればどのパソコンからでもIR参戦可能

 

Lunatic Rave (先述のとおりあまり詳しくないので、本当のこと書けてるか不安ですが…())

BMSプレイヤーとしてはだいぶ新しく、2007年に初期バージョンの「Lunatic Rave」が公開された。ビジュアルなどの演出面、判定自動調整に代表される豊富な機能面などで、他の追随を許さないプレイヤーである。20098月、現行のバージョンは「Lunatic Rave2 beta3」。IR、ソフトともに現在も盛んに更新が続いており、ニコニコ動画などでもプレイ動画が数多くアップロードされている。


 【プレイ上の特徴】

nazoに比べ重く、PCのスペックを必要とする

EASYHARDゲージ、レーンカバー、スコアグラフなど、本家の便利機能が多数搭載

BAD幅が広いため、BADはまりを起こしやすい(らしい)

RANDOMをかけていても、ある操作をすると同じ配置の譜面を何回でも遊ぶことが出来る

・キー音無しBMSなどの曲の場合、IRが登録されない

・同一IDでも、パソコンが違うと同一IDとして扱われない(仕様)

 

 

 以上が2つのプレイヤーの大まかな特徴である。上で記したとおり、現在ではLRに人気が一極集中しているという状況である。

 なおnazoLRでは若干の仕様の違いから、同じ曲でも難易度表では違う難易度に設定されているという曲もいくつか存在する。(例:LABO(ANOTHER)など)

 

 


 

 “第1章 導入編”はこれにて終了です。次章では、普段あまり考えないであろうところに突っ込みを入れていく考察編をお送りいたします。文章力が稚拙なために、理解しづらい箇所が多々あるかもしれませんが、そのときはごめんなさい。。()


Comments