Sec.5 いまさら「デ・ジ・キャラット」?


はじめに

(以下、偉そうな文が続きますが、理学書のはしがきのパロディのつもり)
 本稿はいわゆるオタク文化圏における基礎教養と思われる「デ・ジ・キャラット」の入門として、アニメ第一期に相当する通称「ワンダフル版」の紹介を試みるものである。主として初代放映当時の10年前に小学生であった、筆者と同輩程度の諸君を読者として想定している。以下に本稿の題材の選択について説明しよう。
 「デ・ジ・キャラット」というと、「ブロッコリー」及び同社経営の「ゲーマーズ」のマスコットキャラクターの名称、または続く一連のメディア展開を指すのが普通であるが、これらの詳細はWikipediaに譲る。「デ・ジ・キャラット」は、「萌え要素のデパート」(これ自体は俺の造語)として『動ポモ』が取り上げたことからも分かるように、属性の素朴な結合が支配していた古典的なオタク文化圏のひとつの到達点であった。
 何年も前に同書を読んだ筆者は、「デ・ジ・キャラット」を「古典の傑作」として認識するとともに、そのゴテゴテしたキャラ造型から、「過去の作品」という印象を受けたものだった。しかし、その直観は間違いであった!最近になってステロタイプを志向し始めた筆者は「傑作の再発見」を経験することになった。そしてまた、「デ・ジ・キャラット」がこの混乱の時代の中で確かな流れとなって生命を保ち続けていることにも気付くことになった(ウィンターガーデンは突発的回顧では決して無かった!)。ちなみに08年を中心にキャラのデザイン変更・声優入れ替えを行うなど、まだまだ作品が健在であることを再確認する出来事もあった。
 以上のような経緯で、現在になっても若い世代が「デ・ジ・キャラット」を受容する余地と価値があると信じるに至り、本稿の筆を執った次第である。3分 × 16話という手ごろな分量でありながら、作品の雰囲気をよく伝える「ワンダフル版」はその入門として適切だと思われる。